息切れ外来 その息切れは歳のせいでしょうか?

1 息切れは年のせいだと思っていませんか
2 息切れの原因となる病気は大きく分けて肺と心臓、その他になります
3 息切れは治療でよくなります

1 息切れは年のせいだと思っていませんか?

皆さんは最近息切れして階段や坂道を上るのが億劫になってきていないでしょうか。多くの場合、息切れはゆっくりと進行するので、気付かなかったりあるいは年のせいと思って気になっていても生活に大きな支障がなければ医療機関へ受診されていないことの多い症状です。確かに歳のせいであるいは運動不足で息切れが出ることもあるのですが、日常生活に支障があるような息切れは病気が潜んでいる可能性が大きいです。特に過去にタバコを吸っていた人、あるいは現在タバコを吸っている人は心臓や肺の病気のリスクが高くなるので、注意する必要があります。

2 息切れの原因となる病気は大きく分けて肺と心臓、その他になります。

息切れをきたす病気は心臓と肺に問題があることが多いのですが、貧血などでも息切れをきたすことがあります。

心臓の病気で息切れをきたす病気は様々ですが、特に心不全が息切れをきたす疾患の代表です。心不全の原因は様々で、心臓の弁に問題のある弁膜症、心臓の筋肉に問題がある心筋症、高血圧に伴う心肥大がその代表です。心不全以外に心臓が悪いためにおこる息切れの原因として、時に心臓の血管が細くなって典型的な胸痛(狭心症の症状)が出ずに労作時の息切れだけが出現することがあります。また心筋梗塞の後に心臓の筋肉の収縮力が悪くなった時にも心不全をきたし、息切れの原因になることがあります。

肺の病気では息切れをきたす疾患の代表は気管支喘息とCOPD(肺気腫あるいは慢性気管支炎)です。気管支喘息では息切れをきたすほどの喘息発作があれば通常ヒューヒュー、ゼーゼーといった症状が出ます。心不全でもひどくなるとこのような喘鳴(心臓喘息)が出ますが、足のむくみや体重増加といった症状や胸部のレントゲン写真や心エコー検査、あるいは血液検査で鑑別は可能です。

喫煙は心臓の病気のリスク因子となると同時にCOPDや肺癌のリスクが高くなります。心臓の病気に加えて肺の病気が併存していることもあるので、十分な検査が必要です。

心臓や肺以外の病気では貧血で息切れをきたす場合があります。息切れをきたすような貧血の場合、貧血をきたす病気が他に無いか調べる必要があります。血液の病気の結果貧血をきたすような場合のほかに、消化管からの出血で貧血をきたすことがあるからです。胃潰瘍や胃癌や大腸癌、女性の場合生理に伴う出血で貧血をきたすことがありますが、徐々に貧血が進行するので体が慣れてしまい、高度の貧血にならないと息切れが出ないこともあります。

3 息切れは治療で良くなります。

息切れの原因が特定出来たら、その病気に対して治療を行います。呼吸器疾患はそれぞれの病態に応じて喘息ならば吸入ステロイド薬を、COPDなら気管支拡張薬を使用します。また心不全の場合は利尿薬をはじめ種々の内服薬が利用可能です。現在病態に応じた多数の薬剤が利用できるようになりました。

4 しっかりとした診察と検査を受けましょう。

上記で述べたように息切れは確かに太りすぎ、運動不足、加齢で起こることもありますが、治療可能な病気が隠れていることが多い症状です。歳のせいと決めつけてしまうことは良いことではありません。医療機関を受診して適切な診断と治療を受けることでよくなる症状です。どうか息切れを放置しないでください。