吸入はうまくできていますか?
他院で喘息と診断され、適正な治療薬が処方されているにも関わらず、喘息あるいは咳がよくならないと来院される方は結構な数に上ります。この原因の一つとしてうまく吸入できていないことがあります。なんだ、そんなことかと思われるかもしれませんがよくある治療上の落とし穴です。飲み薬は処方された薬を指示のされたように飲めばいいのですが、吸入薬は吸入器を使わないと体に届きません。皆さんは診療所や病院、薬局で吸入薬の使い方を教えてもらったことはあるでしょうか。藤田医院では吸入薬を処方する際には必ず吸入の仕方を医師または看護師が院内で患者さんと共に実際の吸入器や模型を使って十分に吸入できているか確かめています。また吸入がうまくいっていない場合は出来るまで一緒に吸入の仕方を練習しています。
吸入できていない点としてよくあるのは、十分に吸えていないことです。小難しくいうと吸入流速が十分に出ていないということです。息を吐くという行為は日常よく行っている行為ですが、吸うという行為は案外少ないものです。このため吸入しているつもりでも十分な吸入速度が出ていないためお薬が気管支にまで届いていないことがあります。せっかくのお薬も吸入できていなければ十分な効果が出ません。また思わぬ方法で吸入しているために吸入薬がきちんと吸えていないこともあります。極端なケースですが吸入器をふりかけのように振って、中の吸入薬を出して飲んでいたというような例に出会ったこともあります。このような勘違いも十分に吸入の仕方を教えてもらう機会がないためにおこります。くり返しますが吸入の仕方は治療効果が十分に出るかどうかを決める重要な要素です。わからない場合や治療効果が十分に感じられない場合は遠慮なくかかっている医師、看護師、薬剤師に教えてもらってください。