パルミコート
1.この薬の効果は?
吸入ステロイド喘息治療剤で、気管支喘息の病気の人に処方されます。この薬は、継続的に使用し気管支の炎症を抑えることにより、呼吸を楽にします。体調がよくなったと自己判断して使用を中止したり、量を加減したりすると病気が悪化することがありますから、自己判断で止めたり、吸入量の調節は行わないでください。
指示通り継続的に使用することが重要です。
2.パルミコートの特徴は?
- 発作治療薬の使用を減少できます。
- 喘息症状における日常生活の障害を改善させます。
- 中枢~末梢の気道まで効率よく到達・沈着しやすい吸入製剤です。
- 妊婦への安全性が吸入ステロイドの中でも最も高いです。
米国食品医薬局(FDA:Food and Drug Administration)の、妊娠中の薬剤投与に関するカテゴリー分類において,吸入ステロイドとして唯一カテゴリーBにランクされており,妊婦や妊娠の可能性を持つ女性に投与するのに適していると考えられます。
FDA分類とは?
A | ヒト対照試験で、危険性がみいだされていない |
B | ヒトでの危険性の証拠はない |
C | 危険性を否定することはできない |
D | 危険性を示す確かな証拠がある |
X | 妊娠中は禁忌 |
ほとんどの喘息治療薬は「カテゴリーC」に分類されている中、パルミコートは「カテゴリーB」に分類されています。
妊娠中は、赤ちゃんのことを考えて、薬の使用を躊躇してしまう方もいます。医師・薬剤師の指導の元に、吸入薬を適切に使えば、薬は赤ちゃんにとって問題となることはほぼありません。
喘息が悪化することによる喘息発作(低酸素状態)は、妊婦自身の命に関わります。しかも発作がたびたび起きる場合は、赤ちゃんが低酸素状態となるため、良い影響はありません。喘息発作は母体だけでなく赤ちゃんの安全も脅かします。
妊娠中でも医師の指導に従い、勝手にお薬をやめないように、治療を継続したほうが有益性は高いです。
また、授乳中の安全性については国立成育医療研究センターのホームページ「授乳中の薬の影響 | 国立成育医療研究センター」を参照してください。
3.この薬中身と形は?
販売名 | パルミコート 100㎍ タービュヘイラー112吸入 |
パルミコート 200㎍ タービュヘイラー56吸入 |
パルミコート 200㎍ タービュヘイラー112吸入 |
---|---|---|---|
外観 | |||
有効成分 | ブテソニド |
4.使い方は?
この薬は吸入薬で、飲み薬ではありません。
使用量および回数
使用量は、症状などにあわせて、医師が決めます。
通常の使用量および回数は、次の通りです。
[成人]
一回量 | 1回100㎍~400㎍ |
---|---|
吸入回数 | 1日2回吸入(1日最大1600㎍) |
[小児]
一回量 | 1回100㎍~200㎍ |
---|---|
吸入回数 | 1日2回吸入(1日最大800㎍) 症状が良好にコントロールされている場合は、100㎍1日1回1吸入まで減量されます |
パルミコートタービュヘイラーの吸入方法
- 使用をし忘れた場合はどうすればいいの?
2回分を一度に吸入しないでください。気付いたらすぐに1回分吸入してください。ただし、吸入する時間が近い場合は1回とばして、次の時間に1回分吸入してください。 - 多く使用(過量投与)してしまったらどうすればいいの?
この薬を過量に投与すると、からだがだるい、吐き気、嘔吐、力が入らない、食欲不振などの症状があらわれることがあります。このような症状が現れたら、直ちに医師に受診してください。 - 保管方法は?
直射日光と湿気を避けて室温(1~30℃)で保管してください。
使用後は必ずキャップを閉めて保管してください。
マウスピースが汚れた場合は乾燥した布などで吹き、水洗いはしないでください。