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慢性の咳でお悩みの方へ(その2)
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■慢性の咳でお悩みの方へ(その2)

(5)後鼻漏による咳
これは鼻炎による分泌物が喉へ流れ込んで出る咳です。
患者さんは鼻の詰まる感じ(鼻閉)を感じて鼻汁が喉の奥に流れ込む感じを感じていることが多いようです。
耳鼻科の医師と協力して治療にあたります。抗ヒスタミン剤が有効です。

(6)慢性気管支炎
これもタバコを吸う人に出てくる病気です。
COPD(息切れの項参照下さい)の仲間です。
タバコの煙が刺激になって痰が出ます。
これを体の外へ出すために咳が出ます。
一年につき「2ヶ月ないし、3ヶ月痰を伴う咳が2年以上にわたって出る」というのが定義です。
時に喘息と併発することがあります。
禁煙することで症状は軽快するほか、薬剤としては抗コリン剤やβ2(ベータツー)刺激剤を使用します。 (COPDの項を参照下さい)

(7)喘息
「ヒューヒュー」「ゼーゼー」といった音を伴って夜や早朝に咳で目が覚めることが多いのが特徴です。
喘息というと子供の病気のように思われがちですが、ある日突然大人もなることがあります。
また小児喘息があった人が、 風邪をひいたり天候の具合で出てくる人もあります。
軽症の場合、症状が咳だけのこともあり注意が必要です。
胸レのントゲンの写真をとったり、呼吸機能を測ったり、ピークフロー(喘息の項を参照下さい)を測ったりすることで診断をつけます。

(8)アトピー咳嗽
 アトピー咳嗽という考え方は、日本の藤村先生によって提唱された概念で、比較的新しい考え方です。咳型喘息と同じように、咳だけを唯一の症状とする病気です。
ただし、放置しておいても、喘息になることはありません。
また、気管支拡張剤が効かないことも特徴の一つです。
アトピー素因がある患者さんで、
  • 1.痰をともなわない咳が3週間以上続くこと
  • 2.気管支拡張剤が無効であること
  • 3.アトピー素因があること、もしくは喀痰中に好酸球という白血球が増えていること
  • 4.抗ヒスタミン薬、もしくはステロイド剤にて、咳の発作が消失すること
以上のようなことを特徴とします。  なお、アトピー素因とは、
  • (1)喘息以外のアレルギー疾患を患ったことがあるか、現在かかっていること(たとえばアトピー性皮膚炎)
  • (2)白血球のうち、好酸球と呼ばれる白血球の一種が血液中に増加していること
  • (3)血液中の抗体と呼ばれる蛋白質のうち、アレルギーに大きくかかわっているIgE(アイジーイーと読みます)が増加していること
  • (4)特異的IgE(IgEのうち、ハウスダストやダニなど、特定のアレルギーの元になる物質(アレルゲンといいます)に対するIgEのことです)が陽性に出ること
  • (5)アレルギーの元になるアレルゲンを皮内に注射すると赤く腫れること
以上のような(1)〜(5)をもってアレルギー素因と呼んでいます。
大分わかりにくい説明と思いますが、こんな病気があると知っておけばOKです。
(このアトピー咳ソウについては、以下のHPを参考に書きました。)
 → 咳嗽研究会 http://web.kanazawa-u.ac.jp/~med18/cough/index.html

(9)咳型喘息
 咳型喘息は咳だけを唯一の症状とする病気です。
 通常咳は、痰を伴いません。咳型喘息は、気管支喘息に進行することもあるので、注目されています。咳型喘息では、気管支は何らかの刺激(例えば冷たい空気や煙)に対して過敏になっており、刺激があると咳が出ます。気管支拡張剤が効くことが特徴です。
  咳型喘息の特徴の一つは、咳が夜間に多いことです。また電話で話をしたり、冷たい空気にあたったり(冬に暖房のきいた部屋から寒い戸外へ出たり)運動をしたりすると咳が出ることです。
検査の所見では、肺機能は正常です。
診断にあたっては、
  1. 慢性的に咳が出る。
  2. ヒューヒュー、ゼーゼーといった喘息の特有の症状がない。
  3. 肺機能、胸のレントゲン写真が正常。
  4. 鼻炎や副鼻腔炎(慢性的な鼻づまりは要注意です)がないこと、胸焼けがないこと。
  5. 気管支が特定の刺激に対して、過敏になっており、咳がでること
以上がそろえば、咳型喘息といえます。
治療は気管支拡張剤(内服や吸入)や吸入ステロイドを使います。

この他にも慢性の咳をきたす病気はたくさんあります。
主な病気を書きましたが決してこれで全部をカバーしているわけではありません。
丹念に病歴を尋ねながら診断していきます。

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