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タバコを吸い続けるCOPD患者に
吸入ステロイドは有効か?
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■タバコを吸い続けるCOPD患者に吸入ステロイドは有効か?

 COPDの治療はまず、禁煙に始まり、禁煙に終わるといっても過言ではありません。しかし禁煙は、口にするほど易しいものではありません。自分で禁煙を試みた場合、一年後の禁煙成功率は10%以下と、非常に低いものです。これは、タバコに含まれるニコチンに依存性があり、タバコを吸うことは立派な薬物中毒だからです。
 さて本題です。COPDでは現在、気管支の細くなった所から肺胞にかけて炎症が起きていることが分かっています。ではこの炎症を、喘息と同じように吸入ステロイドで防いだら、喫煙による肺機能の低下は防げるでしょうか。(出典は、NEJM. 1999年p.1948-1953です。)
 まず、現在もタバコを吸い続けているCOPD患者1695人に禁煙プログラムを受けてもらいます。169人が禁煙に成功しました。1割しか禁煙に成功しなかったわけです。残り1526人中1277人が、ちゃんと薬を吸入していることが確認できたので、このCOPD患者さんを、ほぼ半数ずつの2群に振り分けます。1つの群は偽薬(何の効果もない薬)に割り付けられ、もう一方の群が吸入ステロイドのブデソナイドに割り付けられました。1277人中920人(71%)が3年間の研究期間を終了しました。大多数はヘビースモーカーで、軽症のCOPDでした。
 結果ですが、両群とも平均年齢52歳、タバコを吸い始めた年齢は16歳、35年以上の喫煙歴があり、1日平均22本のタバコを吸っていました。ブデソナイド(吸入ステロイド)投与群は、6ヶ月目まではFEV1(1秒量*)が改善しました。しかし9ヶ月目からは、偽薬投与群とブデソナイド(吸入ステロイド)投与群はともに、FEV1が年に57 ml〜69 ml落ちてゆき、両群に差はありませんでした。
 この研究の優れた点は、3年間の長きにわたって肺機能を追跡調査している点です。結論としては喫煙しているCOPD患者に短期間ではブデソナイド(吸入ステロイド)は肺機能を改善しますが、最初の6ヶ月までしか効果はなく以降は効果がなくなってしまいました。喫煙をしているCOPD患者は呼吸機能が長期的には呼吸機能が低下してゆき、ブデソナイド(吸入ステロイド)の効果はなくなっていたというのが結論です。
 やはり今の所、COPDの治療はまず禁煙という原則は破られませんでした。

FEV11秒量とは、いきおいよく息を吐き出した時に最初の1秒間に吐き出せる息の量です。CODPの指標になる肺機能の数値です。

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