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喘息の発生機序とオマリズマブの薬理作用 (上級者向け) ■喘息の発生機序とオマリズマブの薬理作用(上級者向け) 以下の文章は免疫学を学んだ人にはわかりますが、学んだことのない人にとっては誠に申し訳ないですが何のことかわからないと思います。要はオマリズマブは、血中の遊離しているIgE抗体と結合することで次々と起こる一連の反応を抑えてしまい、喘息の悪化を防ぐという話です。あまりうまい翻訳ではありませんが一応このようにして喘息が起こるというおさらいです。一部略しています。 浮遊抗原(アレルギーのもととなる物質で、空気中に浮かんでおり吸い込まれる物質、アレルゲンという)は、最初に樹状細胞に取り込まれる。この過程は貪食(どんしょく: 細胞が物質を取り込むこと)によって起こり、アレルゲンに特異的なIgEが樹状細胞上のFcε受容体に結合することで促進される。樹状細胞はアレルゲンを消化し、T細胞(リンパ球の一種)に提示する。また、アレルゲンはこの際MHCと呼ばれる分子と接着している。MHC分子と接着したアレルゲンはT細胞上のレセプターと融合しT細胞は活性化される。この結果T細胞は増殖しサイトカインを放出する。サイトカインはB細胞を刺激し、B細胞はIgE抗体を産生するプラズマ細胞へと分化する。B細胞はIgEと親和性のあるFcε受容体を発現する。IgEとこれらのレセプター(Fcε受容体)はB細胞の分化とIgE産生に影響がある。プラズマ細胞によって産生されたIgE抗体はマスト細胞の表面に付着し、マスト細胞からは炎症性メディエイターが放出される。このようにして喘息の急性発作が起こる。(図1) オマリズマブはIgEのfc部分と結合するモノクロナール抗体である。オマリズマブはIgE抗体が細胞表面のレセプターと結合することを阻害する。IgE抗体がマスト細胞や好塩基球のFcε受容体と結合することを阻害することで、脱顆粒しなくなり、その結果炎症性メディエイターを放出しなくなる。また、オマリズマブはFcε受容体に結合しているIgE抗体とは結合しないため、アナフィラキシーは生じない。また、Fcε受容体のダウンレギュレーションが起こる。IgE抗体が樹状細胞のFcε受容体と結合することが少なくなるため抗原を効率よく処理できなく、またB細胞上のFcε受容体と結合が少なくなることでB細胞の分化をおさえ、IgE抗体の産生を抑制すると考えられている。これらすべての効果は喘息の急性増悪を防ぐと考えられる。(図2)
出典NEJM 2006. 354, 25p 2689-2695 →メニューに戻る |