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喘息は大人では見逃されている
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■喘息は大人では見逃されている

 喘息というと子供の病気のように思われがちですが、成人になってから喘息を発症する患者さんも、たくさんおられます。問診や聴診してから「喘息ですね」と診断をしてから、病気の説明にとりかかるわけですが、「本当に喘息ですか」という怪訝な顔をされます。「小児喘息と言われたことはないのですが」というのもよく尋ねられることですが、小児喘息がなくても、大人になってから喘息になる方もおります。ある時急に咳と痰が夜間にはじまり、なかなか治らないので、中には肺癌を心配される方もおられます。典型的な喘息の症状は、夜間から明け方にかけて「痰が切れず」「咳をする」「通常の咳止めが効かず」「息をするとゼーゼー、ヒュウーヒュウー音がする」という症状がでます。しかし皆さん、まさか自分が喘息だとは考えてもおられずに、医師からいきなり「喘息です」と告げられて、 なかなか当初は受け入れられないようです。
 また、60才台を超えてから喘息が出てくることも珍しいことではありません。イギリスの話ですが、65才以上の男女6000人に喘息の有無を調べた研究があります。まず、質問票で喘息らしい症状がある人を拾い上げ、次に肺機能を測定して、喘息と診断するという方法をとっています。6000人の対象患者中、4792人(80%)の人が質問票に記入しました。以前、喘息と診断された人は55人、また喘息を疑わせる回答があった人は696人でした。696人のうちランダムに(無作為)に501人を選び肺機能検査を行なった所、38人が喘息と診断されました。喘息をもっていてなおかつ、治療を受けてない人は男性で全体の2.4%、女性で1.2%でした。また、喘息の治療を受けていない人の多く(84%)は中等症から重症の喘息でした。以上のようなことから約50人に1人(約2パーセント)は喘息の持病があるというのが、この研究の結論です。  繰り返しになりますが、
@ 65才以上でも喘息の患者さんはいる。
A 多くの人は喘息の治療、診断を受けておらず、中等〜重症の喘息がある。
B このことは健康管理の問題のみならず、高齢者の生活の質を下げている。
C 喘息の治療により、これらの人は良くなる可能性がある。

(出典 Thorax 2001 vol56 p472―476)
2007年1月16日記


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